ピアニズムに至るまで

大学在学中。二十歳くらいの頃ですが、いくら練習してもこれ以上うまくならない、出したい響きが出せないと自分の弾き方に限界を感じました。     
先生の言いつけをしっかり守り弾き、1日14時間も練習してた頃もありました。なのにある程度以上はどうしても弾けない…     
なぜ世界の一流のピアニストたちはあんなに楽そうに弾き、素晴らしい響きが出せるんだろうとずっと疑問に思っていました。    
 
これは体格とか練習の仕方とか以前に根本的な弾き方が違っているのだ!と考え、色々な
先生方にそれについて聞いたりレッスンのときに参考にして弾いてみたりしても、大抵はあの人たちは天才だからマネしてはいけません。等といわれました。   
同じ人間なのだからできるはずだ!良いものはマネして何が悪い!と奮起して、研究に励みました。
色んな人のレッスンを受け、色んな書物を読み、一流のピアニストの動画をひたすらかじりつくように見て、分析してみたり、色んな奏法を試しました    
そのうち一番自分の理想に近いものとして、たどり着いたのがロシアピアニズムと呼ばれるものでした。
現在はそのロシアピアニズムを中心に、様々な流派のピアニズム、テクニックを研究し、独自の奏法を編み出しています。

 

ロシアピアニズムについて

ロシアピアニズムとは言いますが、ロシアのピアノ曲のためのピアニズムというわけではありません。私の思う元々はショパンを初めとしていて、主にロシア(ソビエト)で長い歴史の中伝わってきた秘伝のピアノ奏法です。
ロシア人でも鍵盤のガンガンたたきつけて力づくで弾くような人もいますが、決してそのような奏法ではございません。
とても美しく、ピアニシモでもホールの一番後ろの席まで届く倍音が豊かな響きを奏で、体と楽器に負担のなく、楽に弾ける奏法です。

 

ロシア人ピアニストでなくても、その系譜をたどった世界の超一流ピアニスト達の中では共通する奏法とも言えます。
 
ネイガウス、ホロヴィッツ、リヒテル、ニコラーエワ、ソコロフ、プレトニョフ、キーシン、アルゲリッチ、ランラン、ポゴレリチ、トリフォノフ、ガヴリーロフ、ダンタイソン、等々…
皆タイプは違えど、ある共通した体の使い方をしております。

 

この奏法では指を一本一本あげる伸筋を使わず、掌の屈筋と虫様筋と呼ばれる筋肉、全身のインナーマッスルを育てて、かつ鍵盤に圧力をかけずに最小限の力で弾きます。

 

また普通の奏法とは違う手首と前腕の旋回運動を行います。 

 

姿勢や構え方、体の使い方から従来の奏法とは全く違い、柔軟に動かします。これは見た目をくねくねさせるというわけでなく、あくまで体の内部の動きの方向性、緊張感をコントロールします。

 

従来の伸筋を使った奏法では生まれつきもった指の独立性が無いとある程度以上の曲はどうしても弾けませんでしたが、この奏法では手の独立性に関係なくとも弾けるようになります。

 

また、手を怪我したり、楽器が荒れなくなり、弦を切ることもなくなると思います。

 

単純に曲が弾けるようになるのに要する時間も従来より少なくなり、体の動きが音楽の動きと自然に連動するので、曲を覚えるのも早くなると思います。